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REPORT

片岡節子

Setsuko KATAOKA 第17期生(1977年卒業)

Posted on 2017.5.26 Last Update 2019.12.3 Author Organizer Tag 同窓生紹介

「遅咲きの花(と言っておこう)・チューリップおばさん」

片岡節子私の誕生する前から父が小さな工務店を経営していましたので、幼児期から住み込みの大工見習いの男性達と一緒に育ちました。父が紙の上に鉛筆で描いた物が現実の形になっていく様子に「大工さんは魔法使いのようだ!」と感動し、その面白さにのめり込んだのです。

大学入学当時、私の学年の建築学科の女子は5人だけ。2年生から大学院までの女子の先輩達が新入生の歓迎会を開いてくださり心強かったという思い出がありました。以来、その皆さんにはお世話になり続け、特に2人の方には現在も相変わらず助けていただいています。

迷いなく建築の道に進んだ私ですが、4年生の就職活動が始まって「女だからダメ」という壁に突き当たりました。先生や先輩のお力添えで就職してからも、男性中心社会との闘い。現在は信頼される建築家として全国を飛び歩く先輩の女性も、卒業時に総長賞を受けた大変優秀な方にもかかわらず、当時の会社では「女にも仕事をさせろ」と日々闘わなければならない状況でした。そんな会社も今では女性監督が活躍するようになっているとのことで、時代の流れをうれしく思います。

また、東海大学の関係の皆様には男性の先輩も後輩も、先生方にも現在もお付き合いくださる方も多く、これまでの人生を支えていただいたことに心から感謝しております。

東京で3年半勤めた後、父の会社を手伝うため戻ってきた北海道の片隅で、チューリップの魅力と出会いました。子どものように無邪気な好奇心の塊で、チューリップの奥深さに夢中になり、「チューリップ大好きおばさん」を自称している私。

チューリップ大好きおばさん

今年は北海道庁の HP 内「北の★女性からのメッセージ」で、そんな私が紹介されています。私の活動については、そちらを読んでいただければ幸いです。(私は81番)

私は頼まれると断れない性格から、年々、活動の幅が広がってきました。男女差の無い生き方を目指してきた私ですが、2人の子どもを育てる中から、母性を生かしたボランティアにもいくつか関わっています。

その中の一つのグループが高い評価をいただき、先日、文部科学大臣より表彰されるという名誉なことがありました。日本の片隅の田舎町ではたいしたことはできないと思いがちですが、このように評価していただけたことは、地元でのすべての活動の励みになると感じます。

文部科学大臣より表彰された際の新聞記事

表彰式参加のため代表4人で東京へ行きましたが、その会場がオリンピック記念青少年総合センターでしたので、代々木キャンパスまで足を延ばしてみました。建築学科は今は全部湘南だそうですが、私が4年生の時は通い慣れた道…のつもりが、浦島太郎のごとく、たどり着くのに苦労して愕然! でも、落ち着いた環境の中にある校舎を目の前に、感慨深い一時を過ごすことができました。

私は、15年ほど前に父が会社を廃業してから、建築に関わらなくなりました。でも、今でも一級建築士という定冠詞付きで紹介される田舎にあって、そのプライドだけは持ち続けています。趣味で社会に発信している様々なものについて、感性、構成力、自分の手で創り出していることなどを高く評価していただけるありがたさを感じながら、生きる幸せを感じる毎日です。

これからも東海大学の建築学科で勉強したクリエイターとしての精神で、心豊かな人生を送ることができるよう努力を続けたいと思います。 北海道紋別郡湧別町の「かみゆうべつチューリップ公園」は例年5月下旬が見頃です。休憩所に、私がボランティアで展示する800種類ほどのチューリップを紹介する図鑑があります。日曜日はボランティアガイドもしています。ぜひ、おこしください!

かみゆうべつチューリップ公園
 http://www.town.yubetsu.lg.jp/tulippark/

かみゆうべつチューリップ公園

片岡節子(かたおか せつこ)(旧姓:中津川)

1955
北海道生まれ
1977
東海大学工学部建築学科卒業 清水建設(株)住宅事業部
1980
北海道へUターン 中津川建設(株)
2003
畑作農業に従事
2003以降
JA えんゆう

ボランティアで2005年よりチューリップの広報活動。今春は2高校での講演、NHK テレビ出演、公園での展示、ガイドなど。

講演の様子